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【レビュー】重力と呼吸 / Mr.Children 『感じたこと・感想を綴ってみる』「ミスチル」「ニューアルバム」「評価」

投稿日:2018年10月3日 更新日:

 

 

【レビュー】重力と呼吸 / Mr.Children 『感じたこと・感想を綴ってみる』

 

 

REFLECTION” から3年4ヶ月ぶりにリリースされた待ち望んだニューアルバム『重力と呼吸』”深海”以来の漢字でのタイトル。前作と比べると今作は10曲ということでコンパクトな印象を受けるが、アルバム製作に向かった彼らの熱量は変わることなく、いや、前作以上だったかもしれない。

 

 

 

 


それでは楽曲ごとの感想を書いていきたいと思う。

 

 




■ Your Song

 

 

 

冒頭10秒の叫びから始まるオープニングナンバー。まず、田原さんのディレイ、そして冒頭の叫びと今までの彼らにはなかった楽曲へのアプローチがなされている。

世間で言われる”ミスチルらしさ”というものに対して、この曲は今までのミスチルっぽくない楽曲のように感じる。彼らにとっての最大の誉め言葉は”ミスチルらしい”ではなく、”ミスチルっぽくない”なのだと勝手に思っている。

 


”そう君じゃなきゃ
君じゃなきゃ”


この歌詞が何故か頭から離れない。

 

 

 

海にて、心は裸になりたがる

 

 

疾走感とはまた違うのだが、今までの彼らにはなかった曲調である。ベースが刻み、ギターが刻む、様々な展開を見せる楽曲。

どこか若々しさを感じる曲調である。
いつまでも挑戦者であり続けたいという彼らの心意気を感じざるを得ない。

 

 

 

■ SINGLES

 

 

ドラマの主題歌としてテレビで流れていことは知っていたが、ずっと聴かずにリリースを待っていた。

この曲は従来のミスチルの良さが現れている楽曲であるように感じた。

 

”守るべきものの数だけ
人は弱くなるんなら
今の僕はあの日より
きっと強くなったろう”

 

この歌詞がとても良い。

 

 

 

 

■ here comes my love

 

 

こちらの曲に関しては歌詞の解釈などを別の記事で書いたのでそちらを参照していただければ。

 

here comes my love を聴いた感想を記す

 

壮大なロックバラードも、このアルバムの中にあると、この曲はまた少し違った表情を見せる。

 



箱庭

 

 

イントロを聴いたときに浮かんできたのは、初期の頃の彼らだった。どこか懐かしくノスタルジーな印象を受けた。

 

新たなことに挑みつつも原点を忘れない、そんな曲。

 

 

 

■ addiction

 

 

イントロがとても印象的。それこそ中毒性があるような。
曲中、WALTZっぽさを何度か感じた。

 

 

 

■ day by day (愛犬クルの物語)

 

 

タイトルを知ったときに、どんな曲なのか一番想像がつかなかった曲。

ある夫婦とそこにやってきた愛犬の物語。
自然と映像が浮かんで来る。

 

 

 

秋がくれた切符

 

 

”神様が僕らにくれた
何かの切符みたいだ
君はまだ気づいてないんだな
その贈り物に”

 

落ちてきた1枚の葉を切符に例えるセンスはあいも変わらず素晴らしいなと感じる。

今の季節にぴったりな曲。

 

 



himawari

 

 

映画「君の膵臓をたべたい」の主題歌。


”優しさの死に化粧”

”思い出の角砂糖”


どうやったらこんな表現を生み出せるのか。

田原さんのオクターブがとても好み。

田原さんのギターが前面に出たロックもいつか聴いてみたいと密かに願っている。

 

 

 

皮膚呼吸

 

 

”と、ある日
こめかみの奥から声がして
「それで満足ですか?」って
尋ねてきた

冗談だろう!?
もう試さないでよ
自分探しに夢中でいられるような
子供じゃない”

 

”このまま変わっちまう事など怖がらずに
まだ夢見ていたいのに

 


このアルバムのラストを飾る”皮膚呼吸”。彼ら自身のことを歌っているのではないかと受け取れる歌詞になっている。

長年、トップを走り続けてきた彼らの迷いや葛藤が感じられる。

 

 

アルバムを聴いて感じたこと・感想

 

 

アルバムを通して、要所要所でディレイが使われていることが分かる。当たり前のように繰り返される毎日を表しているのかなと思う。「音を重ねる=日々を重ねる」「音が繰り返される=毎日が繰り返される」これらにかけているのかもしれない。

 


ニューアルバムがリリースされると知ったとき、まず考えたことはどんな楽曲が並ぶかということで、もちろんシングルとして発表されていた楽曲は全て入ってくると予想していた。しかし、here comes my lovehimawariが入っていたのに対して、ヒカリノアトリエが入っていない。

 


ヒカリノアトリエも収録して、11曲入りでも問題はないはずだとアルバムを聴く前には思っていた。

 


しかし、今作のアルバム・10曲を通して聴けば、その理由は明確だった。曲調がコンセプト、テーマに合わないということはもちろんだが、この『重力と呼吸』は収録されている10曲が見事なバランスをとっているのだ。これ以上このアルバムから、一音引くことも、一音足すこともできない、そんな完璧とも言えるバランスで今作はできているのだ。

 


今作には必要がないからヒカリノアトリエは収録されなかったのだ。ストリーミングやダウンロードというサービスの普及によって、1曲単位で音楽が聴かれるようになってしまった現在において、『重力と呼吸』はある種のアンチテーゼを唱えているようにも感じられる。そして、彼らはアルバムとしての意義、意味を強く提示しているのではないだろうか。

 


ただ曲を並べているのがアルバムではない。1曲単位で聴いているだけでは全てを感じ取ることは決してできない。そんな当たり前のことを知らずに音楽を聴いている人も少なくない。だからこそ、今作を通して聴いてもらいたい。そこから何を受け取るかは人それぞれだが、1曲単位で聴いたときには得られないものを、必ず受け取ることができる。

 


重力と呼吸。僕らが生きる上で当たり前に存在している両者。裏を返せば、決して逃れることのできないものでもある。そんな必要不可欠でいて、逃れることもできない2つの命題と向き合った作品が今作『重力と呼吸』というアルバムなのだと感じた。

 


10
曲を聴き終えて感じたのは、1曲目の開始から、10秒あまり、桜井和寿の”叫び” がこのアルバムの全てを表現していたんだということだった。

 

これからも僕らにとって、このアルバムが、Mr.Childrenが重力や呼吸と同レベルの必要不可欠な存在であり続け、僕らの人生にそっと寄り添ってくれるのだろう。

 

 









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◆ Kei (@s21cd4869)

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年間約400試合程観戦。