【書評】戦術の変化と深化。そして、未来のサッカー。『モダンサッカーの教科書』「感想」
2018年10月4日 2018年12月5日

モダンサッカーの教科書 / レナート・バルディ with 片野道郎
鎖国を自ら選択した日本サッカー。
本当にこれでいいのか。
世界のサッカーを観るほど、そう思ってしまう。
世界では戦術がものすごいスピードで変化し、進化し、さらに深化している。
まず、それを知らなければならない。
ピッチ上で起きていることを本当の意味で観れているか
フランスの優勝で幕を閉じたロシアワールドカップ。
普段から欧州のサッカーを見ている人は本当の意味でワールドカップを楽しめたはずだ。しかし、普段、そこまでサッカーをしっかりと観ていない人にとっては2割もピッチ上で起きている現象を理解できていなかったのではないかと思う。
今、起きているサッカー界の変化と深化。そして、変革を見逃していては私たちはサッカーにおいていかれてしまうのではないか。
まず、欧州を中心に起こっていることを知らなければならない。
そういった意味でこの1冊は大きな役割を果たしていると思う。
対話形式で書かれている本著。
マンチェスターシティがどのような戦術の元で戦っているのか、ポジショナルプレーの原則は何か、グアルディオラの戦術を紐解いている。
そして、モダンサッカーのトレンドに触れ、以前と比べると変化しつつある監督の仕事に触れ、その中でデータ解析という新たなテクノロジーにも触れている。
基本を抑えながら、一歩踏み込むことのできる本著はどんな層にも呼んでもらいたい1冊であることは間違いない。